共産主義者同盟(統一委員会)






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

  
  
■『戦旗』1634号(4月20日)4-5面

 第二の沖縄戦を許すな!
 アジア人民連帯・反帝国際主義をかかげた
 沖縄解放闘争の新たな闘いを構築しよう
 
改憲・大軍拡に突き進む岸田政権打倒
  
                    
                  
沖縄解放委員会(準)

 


 日帝―岸田自公政権は、昨年二月のロシアによるウクライナ侵略戦争を契機に、ロシア=中国脅威論の下、「台湾有事は日本有事」論での人民の戦争不安を煽り立ててきた。昨年一二月に閣議決定した「安保三文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)こそ戦争突撃宣言だ。「国家としての力の発揮は国民の決意から始まる」、「国民が、自発的かつ主体的に参画できる」と戦争への「決意」をあからさまに迫っているではないか。
 その転換点は、安倍政権下での集団的自衛権行使を軸とする戦争法=安保法制の強行成立だった。そして今日、「専守防衛」の名分すらかなぐり捨て敵基地攻撃能力(「反撃能力」)保有でのスタンド・オフ・ミサイル(敵の射程圏外から攻撃できる中距離ミサイル)配備―巡航ミサイル・トマホークの四〇〇発購入をはじめ、軍事費のGDP比2%・五年間で四三兆円という大幅な軍事費拡大へと突き進んでいる。くわえて、米軍「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」との一体化、日本全土の戦場化・核兵器攻撃を想定した自衛隊基地全国二八三基地の「強靱化」計画(司令部等の地下化、施設の構造強化、大型ミサイル火薬庫建設等)にも五年間で四兆円を投入するというとんでもない内容だ。
 中でも、沖縄・琉球弧への自衛隊基地新設攻撃が集中的に強行されている。ミサイル基地化・日米共同反革命前線基地化攻撃に対して、「再び沖縄戦を繰り返さない」を合い言葉に琉球弧に連なる島々から反撃の決起をさらに拡大し、日帝―岸田打倒の導火線としよう。
 さらに大増税・生活破壊への怒りも大きい。何と、東日本大震災復興特別税の流用と徴税期間の延長での財源確保も策動している。アベノミクス「異次元の金融緩和政策」で生み出された円安・物価高騰を放置し、年金・医療・介護制度の改悪、マイナンバー強制での人民監視・管理を推し進めている。また、原発再稼働や運転期間延長、日本学術会議任命拒否・学術会議法改悪にみられる軍産学複合一体化の促進、さらには「緊急事態条項」―憲法改悪策動にも踏み込んでいる。
 今こそ、「帝国主義戦争を内乱へ」と訴えたレーニン主義、プロレタリア国際主義、革命的祖国敗北主義の階級的立場に立脚し、日帝打倒へ総決起をかちとろう! 日帝の侵略反革命戦争突撃の「最前線」たる沖縄・琉球弧で再び沖縄戦の惨劇を許してはならない。帝国主義反革命会議・G7広島サミット粉砕闘争の大爆発と連動し、日米共同反革命前線基地化阻止! 沖縄差別軍事支配打破! 安保粉砕―沖縄解放―日帝打倒・米帝放逐! の革命的路線の下、沖縄―「本土」を貫く5・15沖縄解放闘争の大爆発をかちとろう! 岸田の大軍拡・戦争攻撃を粉砕しよう!

●1章 沖縄・琉球弧の軍事要塞化を打ち砕こう

▼自衛隊基地の増強、ミサイル基地化を許さない

 今日、日帝―岸田は「安全保障環境の変化」「台湾有事」での戦争危機を煽り立てているが、転機となったのは右翼民族排外主義者の石原慎太郎(当時東京都知事)による買収策動を受けた二〇一二年九月の日帝―野田民主党政権による釣魚諸島「国有化」にある。釣魚諸島占有での「中国船領海侵犯」煽動、「日米安保適用範囲」の繰り返しの日米合意、日米韓軍事包囲網下での朝鮮民主主義人民共和国ミサイル発射実験を利用した「EEZ(排他的経済水域)」強調、「Jアラート」乱発等……、こうして侵略反革命戦争突撃への準備は図られてきたのだ。
 「南西諸島の防衛力の空白地帯解消」を理由とする沖縄・琉球弧での自衛隊基地増強は、まさしく5・15侵略反革命体制の総仕上攻撃であるとともに、否それ以上に新たな日帝の戦争突撃段階へ突入していることの重大さを押さえておかねばならない。「米軍の戦争戦略に巻き込まれるな」(日本共産党)という反米愛国路線では日帝―岸田の戦争突撃攻撃、大軍拡攻撃、排外主義攻撃と闘えない。
 二〇一六年三月、台湾と接している与那国島で、一九年三月には奄美島(奄美・瀬戸内)、および宮古島で、さらに今年三月には石垣島での自衛隊基地開設が強行された。いずれにも敵基地攻撃用中距離ミサイル配備を計画している。また、今年一月には、米軍艦載機発着訓練や自衛隊演習・補給基地としての馬毛島での工事着工も強行された。
 同時期に沖縄島・那覇基地においては、陸自第一混成団が旅団に、さらに師団への格上げも計画されている。空自南西航空混成団の南西航空方面隊への格上げ、第九航空団の新設(F15戦闘機四〇機態勢)、航空警戒管制団新設もおこなわれてきた。昨年には那覇と知念分屯地に陸自電子戦部隊が配備された。さらに、うるま市陸自勝連分屯地へのミサイル配備、沖縄市の陸自沖縄訓練場内への弾薬庫新設計画も明らかとなり、うるま市や沖縄市での反対運動が高まっている。
 こうした沖縄・琉球弧での軍事要塞化に対する怒りと危機感は、「島々を戦場にするな! 沖縄を平和発信の場に! 2・26緊急集会」の大爆発として表れた。市民団体「ノーモア沖縄戦・命どぅ宝の会」呼びかけの集会には想定を上回る一六〇〇名が結集し、那覇市内のデモを貫徹した。集会には、自衛隊ミサイル基地建設阻止へ向け、住民投票や現地監視・阻止行動などを継続的に展開してきた与那国島や宮古島、石垣島の住民団体代表も結集し、「県民総決起大会」開催への運動拡大の突破口を切り拓いた。
 三月四、五日には石垣で全国集会も開催され、一六日駐屯地開設抗議、一八日ミサイル弾薬搬入阻止・抗議行動が展開された。沖縄戦の痛苦な総括をもって、再び沖縄戦の惨劇を繰り返させない、アジア人民に銃(ミサイル)を撃たない、再び戦争の犠牲者にも侵略の加害者にもならないという命題を「命どぅ宝」の言葉に結実化した闘いは燎原の火の如く着実に広がっている。

▼日米合同軍事演習の実戦化と戦争動員攻撃を打ち砕け

 今年一月の日米安保協議会(2プラス2)では、中国を「インド太平洋地域および国際社会全体における最大の戦略的挑戦」と敵視し、「南西諸島を含む地域において、共同演習・訓練を増加させる」と合意した。また、「北朝鮮(ママ)がもたらす重大な脅威に対処し(中略)日本、米国及び韓国それぞれの二国間協力及び三か国間協力を深化させる」とした。
 昨年一一月の日米最大規模の統合演習「キーン・ソード23」はまだ記憶に新しい。この演習では民間地での訓練を公然化した。中城港では、民間船をチャーターして兵員・車輌の陸揚げを強行し、「国」道五八号線経由で那覇基地まで行軍した。また与那国島では、空自C2輸送機で陸自一六式機動戦闘車を空輸し、公道を走行して与那国駐屯地への搬入を強行した。奄美・徳之島でも公園や民間地海岸部での「日本版米海兵隊」と言われる陸自水陸機動団との上陸作戦を強行した。
 続けて今年二月中旬から約一カ月間、日米共同訓練「アイアン・フィスト(鉄の拳)23」が行われた。離島奪還作戦でミサイル攻撃拠点を構築する米軍「遠征前進基地作戦(EABO)」を実戦化するのが目的だ。今回で一七回目となるが、これまでのような米国内ではなく、日本で初の実施となった。陸自と海自計約七〇〇人、米海兵隊と海軍計約八〇〇人が参加したという。
 陸自は、水陸両用車AAV7を宜野座村松田の「潟原進入路」地点から「国」道三二九号を横断(交通遮断)して、米軍キャンプ・ハンセン内へと運び込んだ。金武町米軍ブルー・ビーチでは、海自と米軍のエアクッション型揚陸艇(LCAC)、オスプレイを使ってヘリ離発着訓練や上陸訓練を行った。
 この演習には駐日米大使エマニュエルが異例の視察を行い、「抑止力強化」を強調した。また、三月一二日には海自輸送艦「おおすみ」艦上で「アイアン・フィスト」終了式を行い、「日米共同での水陸両用作戦の実効性を向上させることができた」(陸自・水陸機動団長)、「危機や紛争が起きれば、陸自と海自が共に対処するのは第三海兵遠征軍と第七艦隊。今後とも危機対応能力や準備態勢を強化する」(米軍・第三海兵機動展開旅団司令官)と日米軍事一体化の強化を確認した。軍事演習を「ショー」として住民への「公開」や、マスコミ取材・操作を通して民間地を含む軍事作戦の既成事実化、宣伝煽動を意図していることが顕著だ。
 また、三月一三日から実施された米韓合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」が韓国・尹錫悦政権発足後約四年ぶりに復活し、朝鮮半島の緊張関係を一挙に高めている。同時に、日米韓ミサイル防衛演習も連動して展開された。嘉手納基地へは米空母ニミッツ艦載機や青森三沢基地所属のEA18C電子戦機などが相次いで飛来し、嘉手納基地や普天間基地での爆音被害が増大している。朝鮮半島・中国―東アジアでの戦争策動、軍事演習を直ちに中止せよ。
 軌を一にして、那覇市や与那国町で強行実施された「武力攻撃予測事態」での「国民保護」「住民避難」訓練への住民動員も看過できない。「離島苦解消、人口増加、地域振興」を大義名分に自衛隊誘致を進めてきた与那国町政は、避難用のシェルター設備や与那国空港拡大、「避難財源基金」を要求し、住民を追い出し軍事要塞の促進に加担するという戦争動員翼賛態勢を推し進めている。主客転倒、言語道断だ。沖縄「県」も三月一七日、宮古・八重山諸島住民一二万人の「住民避難訓練」を初めて実施した。「図上訓練」とはいえ、当該五市町村と内閣官房、警察、自衛隊、海保が加わったもので、戦争動員攻撃への加担を厳しく断罪する。
 また、沖縄北部の無人島(対象外)を中国人女性が購入したとする件を取り上げ、早くも土地規制法適用拡大の動きも強まっている。戦争体制構築の一環であり、国境離島や米軍、自衛隊基地周辺、原発周辺などの土地取引規制の拡大による住民監視と反基地運動への弾圧を許してはならない。


●2章 辺野古新基地建設阻止闘争の前進かちとろう

▼玉城デニー知事訪米行動の意義

 昨年九月の知事選で、辺野古新基地反対を公約の第一に掲げて圧倒的再選勝利をかちとった玉城デニー知事は、三月七日から訪米行動を展開した。米国務省・国防総省や連邦議会議員らへ新基地建設断念とともに沖縄の米軍基地負担軽減、沖縄の在日米軍専用施設面積50%以下を目指したロードマップの作成、有機フッ素化合物(PFAS)基地内調査など、沖縄基地問題の喫緊課題を訴えた。同時に、沖縄・琉球弧の軍事要塞化・ミサイル前線基地化へ警鐘を鳴らし、「沖縄を二度と戦場にしてはならない」と強調しアピールした。
 玉城知事の訪米は、約三年半ぶりで今回三回目。保革問わず歴代知事が繰り返してきた訪米行動は、自民党知事の西銘順治以降、二二回目となる。他に例を見ない基地問題での知事訪米、あるいは「県」ワシントン事務所の存在も、「基地・沖縄」の置かれた歴史構図を反映したものだ。日米地位協定改定要求が全国知事会で決議されるなど常に政治課題の俎上に載せてきたのも、何度も繰り返される米軍・軍属による事件事故への怒りを起点とした改定要求運動の地平なのだ。
 それは、歴代首相の所信表明で、沖縄は常に「外交・安全保障」の項目にくくられていることの裏返しである。それ故、沖縄知事の訪米行動は、「外交・安保は国の専管事項」だとして、「丁寧な説明、対話による信頼」を枕詞に国策を押しつける日帝国家権力に対する強烈なカウンターパンチである。日帝の沖縄差別軍事支配攻撃に抗する沖縄人民の自己解放闘争・反基地闘争の根源的闘いが押し上げていることを改めて確認しよう。その中心軸が、辺野古新基地建設阻止闘争であることは言うまでもない。まさに「沖縄人の誇りと尊厳」をかけた闘いであるからだ。
 今回の知事訪米に対する「米政府高官とは面会できず、冷遇された」なるネガティブキャンペーンは、辺野古ゲート座り込み抗議行動に対するヘイトスピーチや破壊攻撃の拡大と合わせて、日帝国家権力の制動を打ち破って決起する沖縄人民への恐怖の表れである。われわれは辺野古新基地建設阻止闘争の勝利をもって、徹底的な打撃を日帝―岸田自公政権に突きつけなければならない。

▼辺野古新基地建設阻止闘争の現段階

 日帝―沖縄防衛局による護岸建設強行(一八年四月二五日)から五年を数える。だが、「改良」工事不可能な軟弱地盤と活断層が存在する大浦湾側の埋立て工事は全く進捗していない。現在埋立て用土砂揚土ポイントとして使われているK9、N2、K8護岸の先端工事までが精一杯という状況である。
 そのため沖縄防衛局は、浅瀬の辺野古側の埋立てに集中し、かさ上げでの既成事実化を図っている。また、美謝川水路変更を軸とする辺野古弾薬庫周辺での「第4ゲート」建設などキャンプ・シュワブ陸上部での工事を先行的に強行しているのが現状だ。安和・塩川における土砂搬出阻止牛歩戦術の粘り強い闘いによって、現場ではガット船―ランプウェイ台船による揚土作業が停滞しているという報告ももたらされている。
 そうした中、三月一六日福岡高裁那覇支部(裁判長谷口豊)は、大浦湾の軟弱地盤「改良工事」での設計変更申請を巡って、沖縄「県」が国の関与取り消しを求めた二つの訴訟(設計変更不承認・関与取消訴訟)において、国の言いなりの反動判決を下した。しかも今回は、昨年一二月八日の「県」抗告訴訟での最高裁反動判決に見られる「原告資格がない」とした入り口論が破産したことを受け、国交相是正指示は「濫用ではない」、設計変更申請は環境保全要件の「重要な変化に当たらない」、さらには「完成までにさらに約九年一月の工程を要することになったとしても、普天間飛行場の危険性を早急に除去するという政策課題と整合しなくなったとは言えない」とまで言い放った徹頭徹尾反動的な判決だ。
 玉城デニー知事は、「裁判所は国の代弁をしている」と厳しく糾弾した。この反動判決によって設計変更を認めたことにはならない。当然ながら「県」は三月二三日最高裁へ上告した。大浦湾埋立て「改良」工事が進むと思うなら大間違いであることを思い知らせてやろう。同時に、安和桟橋・塩川港でのベルトコンベアー設置許可や「県」港湾管理条例での反対運動への警告看板設置、あるいは南部土砂調達での開発行為禁止なきの「措置命令」等、現場での玉城「県」政の行政的限界と矛盾を突破するためにも、さらなる現地行動を強化し、新基地阻止へあらゆる方策、戦術で闘い抜こう。「辺野古への米軍新基地建設の賛否を問う県民投票」(二〇一九年二月)で示された民意をさらに拡大するために、オール沖縄会議(辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議)が呼びかけている「辺野古新基地建設の断念を求める国会請願書」署名運動を全国で拡大しよう。
 辺野古現地では、オール沖縄会議主催によるゲート前での毎月第一土曜日「県民大行動」が、コロナ禍での中断等を挟みながらも、この四月で三七回を迎えた。また平日の監視抗議行動は、オール沖縄会議現闘部の責任団体の指揮下で毅然と展開されている。海上においても、ヘリ基地反対協・辺野古ブルーの仲間を先頭に、海保の暴力的敵対と対峙しながら土砂搬入阻止抗議行動が展開していることも大きな地平だ。
 さらに、本部町島ぐるみ会議の呼びかけで、塩川・安和からの土砂搬出抗議行動が粘り強く闘われている。地元での独自の活動に取り組む各市町村島ぐるみ会議は、ローテーションで辺野古・塩川・安和現地行動へ総決起している。
 また、沖縄戦激戦地である沖縄島南部地域からの「遺骨が混じる」埋立て用土砂調達阻止の闘いも、「魂魄の塔」に隣接する糸満市米須での採掘予定地での攻防を軸に、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」(具志堅隆松代表)や南部地域の各島ぐるみ会議の活動が強化されている。戦後七八年、沖縄では今なお遺骨収集が続けられ、不発弾処理もあと百年かかると言われている。沖縄戦はまだ終わっていない。沖縄戦犠牲者を再び戦争(いくさ)の犠牲にするな。


●3章 反革命的統合五〇年弾劾闘争の地平から、沖縄解放の勝利を

 昨年は沖縄「返還」「復帰」、反革命的統合五〇年の節目を迎えた年であった。われわれは、「復帰五〇周年記念式典」粉砕闘争を基軸に5・15沖縄解放闘争を沖縄―「本土」を貫いて闘い抜いた。
 われわれに課せられた進路は明確だ。戦後米軍支配下二七年、「施政権返還・復帰」五〇年を経た日帝の沖縄差別軍事支配の現実を変革し、アジア人民と連帯した反帝国際主義での沖縄解放闘争の勝利を沖縄―「本土」を貫ぬく日本階級闘争史に刻印することである。

▼差別軍事支配に根ざした「基地・沖縄」経済構造を打破しよう

 周知の通り沖縄は、今なお在日米軍専用施設が全国の約七割も集中している。漁業や航空路に多大の影響を与える沖縄周辺の広大な訓練水域・空域は何ら変わっていない。米軍、米兵・軍属による事件事故が後を絶たないばかりか、日米安保=日米地位協定が壁となって「基地の島」としての国内法無視・軍事優先を再生産させている。さらに自衛隊基地増強で、文字通り日米軍事一体化での侵略反革命前線基地としての機能を一挙に高めている。
 米軍政支配下での輸入経済・基地依存型経済構造は、今日観光をリーディング産業とする経済構造に転換しているものの、二〇〇一年「9・11」事態やこの三年余の新型コロナ拡大などで一挙に後退するなど産業構造の脆弱性は変わらない。「県民所得」は全国平均の約七割にとどまる。貧困率も高く、特に子どもの貧困率は29・9%、全国平均の二倍で貧困の連鎖が深刻だ。非正規雇用比率も39%と高く、最低賃金は八五三円(二二年一〇月)と最下位グループに位置している。完全失業率は全国平均との差は縮まったが、若年無業者率の高さが指摘されている。こうした現実は、日帝国家権力による歴史的な沖縄差別軍事支配に根ざしていることは明白だ。
 観光業と並び、「復帰」後の沖縄経済の柱となっているのが公共事業である。道路・港湾等の社会資本・生活基盤整備が進んだ一方、必然的に国庫財政へ依存度が高まり、投入財源が「本土」資本・ゼネコンに還流する「ザル経済」が常態化構造化している。
 しかも、公共事業・振興事業が、政治的制動と軍事基地維持と表裏一体的性質を取っていることが顕著だ。普天間基地返還合意・SACO(日米特別行動委員会)によるSACO関連事業に加え、名護市長比嘉鉄也の新基地受け入れ表明で投入された島田懇事業や北部振興事業では「基地の県内移設への見返り」としての性格を露わにしてきた。
 新基地建設反対を貫く稲嶺進名護市政への見せしめの再編交付金凍結、「辺野古埋立て承認」と「沖縄振興費三千億円台」で「いい正月を迎えられる」と居直った仲井真と安倍による取引は決して忘れられない。さらには新基地建設反対を鮮明にする翁長・玉城「県」政への減額予算措置や市町村直接補助金「沖縄振興特定事業推進費」での露骨な「県」と市町村の分断を策動している。かつて「再編関連特別地域支援事業」として、名護市(稲嶺市政)を通さず久辺三区に直接交付した「実績」を想起させるやり口である。こうして張り巡らされた日帝の沖縄差別軍事支配構造を打破することも沖縄解放闘争の重要な闘いである。

▼「新たな建議書」「建白書」の地平を継承し、新たな闘いの創造へ

 一九七二年5・15沖縄反革命的統合攻撃において日帝―佐藤政権は、沖縄人民の「復帰闘争」の地平を集約した琉球政府・屋良朝苗主席の「復帰措置に関する建議書」を七一年「沖縄国会」において強行採決をもって握りつぶしてきた。
 「復帰五〇年」目の昨年、玉城デニー知事は「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」を発表した。そこでは、「屋良・建議書」と、オスプレイ配備反対闘争でかちとった二〇一三年の「建白書」の継承を強く訴えた。そして、「構造的、差別的ともいわれている沖縄の基地問題の早期解決」や「アジア・太平洋地域の平和の構築」のために「独自の歴史や多様性を持つ沖縄を最大限活用すること」などを突きつけた。「民主主義」「地方自治」のあり方にも触れ、「辺野古唯一」に固執し、暴圧的に沖縄の「民意」を踏みつけている日帝国家権力への徹底糾弾でもあった。
 再確認するが、この「建議書」「新たな建議書」は行政文書ではあるが、沖縄人民の闘いの地平が反映した内容であることだ。「オール沖縄」として辺野古新基地反対島ぐるみ闘争への号砲となった「建白書」実現要求総行動・安倍直訴(二〇一三年一月二八日)から一〇年目の節目において、沖縄と「本土」(東京)を貫いて集会とデモが展開されたように、われわれは沖縄人民が切り拓いてきた階級的地平をあらゆる闘争、戦線において物質化することこそ求められている。

▼G7広島サミット粉砕! 5・15沖縄解放闘争に決起しよう

 5・15闘争を軸とする沖縄―「本土」を貫く沖縄解放闘争の任務は鮮明だ。沖縄解放―安保粉砕―日帝打倒・米帝放逐の革命的路線での勝利こそ、日帝―岸田による大軍拡・戦争攻撃を打ち破る力となる。
 第二の沖縄戦を許さず、沖縄・琉球弧の島々から軍事要塞化・ミサイル基地化・侵略反革命前線基地化阻止の連帯した闘いをさらに強化しよう。沖縄解放闘争の革命的環である辺野古新基地建設阻止闘争への持続的決起・勝利を必ず勝ち取ろう。「新基地断念を求める国会請願署名」を全国で取り組もう。さらには、日米軍事基地由来の有機物質PFOS・PFOA汚染弾劾、浦添新軍港建設阻止、日米地位協定改定要求等あらゆる反基地反戦闘争に勝利しよう。改悪米軍特措法による米軍用地の永久的強制使用と反戦地主の分断攻撃を許さず、公開審理闘争を闘おう。市東さんの農地強奪弾劾! 「国策」と闘う三里塚・福島(反原発)と結合した沖縄解放闘争をかちとろう。帝国主義戦争会議であるG7広島サミット粉砕闘争の爆発で、アジア人民と連帯した反帝・国際主義の沖縄解放闘争に勝利しよう。

 


Copyright (C) 2006, Japan Communist League, All Rights Reserved.